ノリ冒険記自伝〜シンガーソングライターが夢だった🎸

シンガーソングライター🎸を目指す少年〜中年までの人生冒険記

シンガーソングライターが夢だった🎸第12章

 

晴れてニートになりました。。

 

23歳     真冬       一月       心も寒い、、、

 

メガネチェーン店に勤め始めてから退職までの10ヶ月間は、お店から帰るのが8時半にくらいだったのですが、毎日毎日リズムマシーンとMDウォークマンのマイクに向かい曲作りに励みました。

ギターをかき鳴らし、声を荒げ、近所迷惑を省みず。。

 

この時期はジョウから焼いてもらったオアシスやヴァーブ、スウェードレディオヘッドなどの洋楽UKを狂ったように聴いていました。日本のアーティストですと、浜田省吾ミスチル尾崎豊佐野元春などですね。

 

いくら曲作りをしても一銭にもなりませんので、、

2週間ほどゆっくりした後に千葉駅近くにある日雇い派遣バイト会社に登録に行きました。

 

日雇い派遣バイトとは、通常のアルバイトとは違い、毎回毎回色々な派遣先に出向き仕事をするという、当時としては新しいタイプのアルバイトでした。

 

流れとしてはこうです。

仕事がしたいと思ったら、前日でもいいので事務所に電話をし、明日なんか仕事ありますか?と聞きます。いくつか提案頂けるので、それらの中から選んだら仕事成立です。集合場所と時間を確認し現場で言われた仕事に従事します。

段々慣れてくると、事務所の方から電話が来るようになり、こんな仕事ありますが明日と明後日ご都合はいかがですか?という提案も頂けるようになります。

 

この派遣バイト会社で色々な仕事をしています。

 

ひとつに病院の清掃の仕事です。

丸々一棟分のベッドを1日かけてひたすら拭いていきます。血がついたベッドも多く、ある意味気合いが必要な仕事でしたね。

 

また工場敷地内の仕事で、なんだか一軒家みたいな倉庫の中で次々と出てくる鉄の細かいゴミを焼却炉?の中にどんどん入れていく作業です。。

そこで働かれている2人の方が仰っていました。毎日毎日この細かい鉄の粉が身体に入っているようで、このままここで働いていたら俺たち絶対やばいよって。。確かに!

 

わたしの中で一番印象に残っていて、今でも時折思い出す仕事があります。

それは引っ越しのバイトです。

 

トラックの運転手とリーダーとサブの引っ越し屋さんの手伝いとして、働きます。洗濯機を2人で持たされる事になり、サブの方と私で挑んだのですが洗濯機を二階まで運ぶってありえないっすね。。想定外の激重家電でした。。

私も足を引っ張りたくないと、かなり気合いを入れて全身全霊で挑んだのですが到底無理でした。かなり年下の若いサブの方にかなりイラつかれ、もてないんすかっ?って困られ、、すすすいません。。謝るばかりです。とりあえず持てるの持ってって!

 

彼はリーダーを呼び、この人無理なんで洗濯機をお願いしますー!

あー俺に何が出来るんだ。。。

大学で浮かれたまま社会に出て、一年も経たずして会社も辞めて無職となって。

ただのクズじゃないかよ!

 

自分の無力さに消えてしまいたいと思いながらも、何とかこのメンバーの方に少しでも貢献したいと、

細かい仕事は急ぎなら全力で頑張っていました。

 

そんな中私が小さめのルーバーをせっせと運んでいた時の事、急いでいた事もあり、つんのめってルーバーを落としてしまいました。。あっ!やってしまった。。心の中で叫びましたが、萎縮していた私は言葉も出ずに固まってしまいました。。

 

すかさずサブの方が駆け寄ってきて、何してんの?もう二度とぶっけんなよっ!と一括されました。調べてみると、ぶつけたところに若干の傷がついてしまっています。すいません!馬鹿ー!ゆるされるかー!再び一括されます。おっしゃる通りです!と心の中で連呼連呼。。

悲しい沈黙、申し訳ないの沈黙、沈黙の沈黙。

 

サブの方がコイツぶっけました!とリーダーに報告し、リーダーがお客様に報告を始めました。すいません、このルーバーをしくじって傷付いちゃいました。大変申し訳ございません。弁償させて頂きますんでっ!申し訳ございません!仕事仲間にも、お客様にも大変なご迷惑をかけてしまった。。

私はただただ頭を下げ、謝ることしか出来ませんでした。

お客様は私がちょいちょい怒られているのを見られていたのかは知りませんが、いやいやそれ古いから構わないよ〜大丈夫大丈夫。と神以上の優しいお言葉を返して頂いたのです。

 

今さらですがもう一度言わせて下さい!

お客様、あの時は本当に申し訳ございませんでした!

プロとしての意識が全くなっておりませんでした。。

温かいご対応を頂き、本当に深謝申し上げます!

 

 

20年以上も前の事ですが、久しぶりに思い返してみても非常に背筋が伸びる気持ちです。

 

初心忘るべからず!!

 

ここで第12章はおしまい。

第13章につづく

 

ノリ冒険記より

愛を込めて