ノリ冒険記自伝〜シンガーソングライターが夢だった🎸

シンガーソングライター🎸を目指す少年〜中年までの人生冒険記

シンガーソングライターが夢だった🎸第5章

3年生からのお話しの前に我がテニスサークルの夏合宿での伝統行事をお伝えしたいと思います。

我々が二年生の夏合宿の時の話です。
当時は50人以上はいたと思います。

テニスサークル🎾の夏合宿なので、もちろん朝から晩までテニスにいそしみます。何チームかに分かれて練習して対抗戦をやる感じです。

さてさて先程の伝統行事は、夜の宴会の最後に用意されています。
そしてそれはかなり広い宴会場を貸し切り、みんなそれぞれ楽しい話に華を咲かせながら食事を頂きお酒を飲み交わした後にやってくるのです。

縁もたけなわの頃に先輩である我々二年生全員がいきなりゾロゾロと前に立ち並びます。

いきなり音楽スタート!

曲は♫岬めぐりという山本コータローという歌手が70年代にヒットさせたフォークソングです。。

この曲に合わせた振り付けがあり、まずは我々二年生先輩が一年生の前で踊って見せるのです。
ぶっちゃけ私はあまり興味がなく、ほとんど覚えてなかったので、他の奴の踊りを横目でガン見しながら振り付けを覚えていないのを気づかれないギリギリのところでしのいだ次第です笑。

二度目からは一年生も立たせて、向かい合わせでこの踊りを見よう見まねで覚えさせるのです。
一年生も酔っ払っているやつも多く、フラフラ踊ってしまう奴もいるのですが、そんなことは絶対に許されません!我々二年生からはやる気あるのかー?とか気合いが足りねぇーとか、怒涛の怒号が始まるんです。

後輩からしたら、さっきまであんなに優しかった先輩達がいきなり鬼より鬼の形相で怒りだしますので、女の子の一部は泣き出す子まで出てきてしまいます。

そりゃそうだよね。楽しい宴会からのいきなり地獄絵図スパルタ戸塚ヨットスクールみたいになるのですからね。。
しかしこちらの真剣な想いは意外につたわるもので、
後輩達もフラフラしながらも全力で頑張っておどりに取り組んでいくんです。

ある程度後輩達の踊りが様になってきた頃、我々二年生先輩は後輩達の目の前に座り込み、後輩達だけでの岬めぐり踊りをチェックに入ります。
もちろん最後のテストなので何度も何度もやり直しをさせられます。
そして疲れと酔いの限界点の中、ほとんど全員の後輩達は泣きながら踊りを終えました。

我が二年生支部長であるオーシタが後輩達にお疲れ様でした!と踊りの終了を告げます。
まだまだ終わりではありません。

そのあと我々我々二年生から一年生へリーダーの権限の委譲を行います。

同じ二年生に小塚というやつがいるのですが、私も小塚も残念ながら役員ではなく、この重要な伝統行事も端の方で息を潜めなんとなしに参加していました。
特に仕事も与えられてないので。。さらに言えば自分が一年生の時に先輩からこれをやられ、理不尽極まりない訳のわからない伝統行事にヘドが出るほど馬鹿馬鹿しいと感じていました笑。
マジで意味わかんねーって。。なんじゃこりゃあと。


しかし今の後輩が先輩に対して神の様に崇めているステキな環境を嗅ぎつけまして、私と小塚はここぞとばかりに台等するんです笑。

我々先輩が後輩と向き合い対峙し、先輩から我々の気持ちや我がサークルの伝統を引き継ぐ意思ができたかの確認をするのです。

わかったか?と支部長や副支部長が言ったあと、後輩の返事の声が小さかった瞬間に私と小塚のスターダムへの台等が始まりました!

私はすかさず 声が小さい!と極道の親分並みの凄みをきかせて渾身の怒号をぶちまけました。するとどうでしょう、後輩から帰ってきたハイ!は今までの人生では聞いたことない気持ちの入ったハイでした。

イヤー気持ちいいー!サザンの桑田圭祐や宗教教祖さまなどカリスマの気持ちをちょっとだけ垣間見れたきがして笑。

そこにすかさず小塚が 本当にわかったのか?とイキリまくった尖りチンピラ並みに怒号をぶちかましました。すると間髪入れず、またまた綺麗なハイが帰ってくるではありませんか。しかーし私もすかさず、もう一回!と怒号をたたみかけました。するとありえないくらい素直なハイ!が帰ってくるんです。

その後は支部長始め役員達はほったらかし、私と小塚のガヤ鬼隊長怒りのオンステージが始まります。

かなり厳しい怒号でさらにたたみかけます。
お前らの踊りを見させてもらったが、正直しっかり受け継いでくれるのか心配だ。本当に大丈夫なんか?
あーん?大丈夫です!声が小さい!大丈夫です!!
もう一回!大丈夫です!!!わかったんだな?ハイ!
マジで任せていいんだな?ハイ!だから声が小さい!
ハイ!!もう一回!ハイ!!!
私も小塚も交互に今までのちっぽけな我々の人生では一度も発揮した事のないほどの慢心の饒舌がとまりません、いやっ止められません。気持ち良すぎてこころの中は大爆笑ですが、顔は金剛力士像か、怒りのアフガンの時のスタローン並みの形相を保ち続けました。

怒号ムチの後は頑張りを認める飴です。

踊りは合格点に達してないけど、お前らの目を見たらこころ❤️があることは伝わってるよ!ありがとうなっ!
俺らも怒りたくないんだよ、お前らにわかって欲しいだけ。しっかり受け継いでくれたらそれでいい!ハイ!!
でももう大丈夫。お前らの熱い気持ちはすでに俺たちに伝わってるよ!ハイ!ありがとうございます!!

来年から頼むぞ!ハイ!わかりました!
声が小さい!はい!もう一回!はい!!

合宿も明日で終わりです。明日もテニス頑張ろうな!
今日は本当にお疲れ様でした!お疲れ様でした!!

終わった瞬間、後輩達は支部長のオーシタでも、副支部長のオッさん上野でもなく他の役員でもなく私と小塚に駆け寄ってきてくれ、沢山の後輩と抱きしめ合いカリスマの様に崇められたのです!

この夜から私と小塚は意気投合。
まぁ今でも変わらず仲よいですよ。

おかげで、残り2年間のサークル生活を残す上では、なかなかの存在感獲得に成功した小塚との下克上エピソードでした笑。


その後社会に入り小塚は大手企業の部長となりバリバリ活躍しております。

伝統行事が長くなったので、ここで第5章は終わります。

次回第6章はちゃんと大学三年生に入ります。


ノリ冒険記より
愛をこめて